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2015.08.30

デンタパックココロが「厚生労働大臣賞」を受賞。

2015年8月28日、東京ビッグサイトにて「第13回産学官連携功労者表彰」の授賞式が行われ、
弊社が参画しているデンタパックココロが厚生労働大臣賞を受賞しました。


厚生労働大臣賞
オールジャパン体制(歯科界全体)での取組事例
在宅訪問歯科診療専用ポータブル器材パッケージDENTAPACKOKORO(デンタパックココロ)の開発


≪受賞者≫
○公益社団法人日本歯科医師会  ○日本歯科医学会  ○一般社団法人日本歯科商工協会

≪受賞概要≫
◇歯科界発、臨学産が連携した機器開発の成功事例
超高齢社会を迎えた我が国では、在宅で療養している要介護者が急速に増加している。要介護高齢者に潜在する歯科治療ニーズは高く、厚生労働省の報告によれば、要介護者の約9割には何らかの歯科治療が必要と言われているが、実際に歯科を受診した要介護者はそのうち約27%に留まるという報告がある。

歯科においては、良好な口腔環境が全身の健康へ貢献することに関する学術的根拠が集積しつつある。かみ合わせの確保が生存期間と高い相関を示すことや、口腔ケアが誤嚥性肺炎・糖尿病の症状の悪化・術後合併症の発症の予防へ繋がること等である。

前記歯科治療ニーズに応えるためには訪問歯科診療の提供が重要になるが、大きな器材を持参する歯科医師等の身体的負担が大きい事や、要介護者への歯科診療に係る術者の心理的負担等の課題があり、診療環境の整備が必要であった。

課題解決のために既存の必要器材を軽量・コンパクトに再設計し、患者の生体情報も取得できる機器とともにコンパクトなキャリアに積載できる、軽量・コンパクトで持ち運びしやすい・訪問先への配慮・組替自由という特徴を兼ね備えた「在宅訪問歯科診療用ポータブル器材パッケージ」を開発した。
さらに開発器材の取扱説明書・患者状態に応じた治療及びケア・緊急対応を含めた訪問歯科診療マニュアルを作成した。

◇臨学産、複数企業の連携体制
歯科界では、歯科医療のニーズに則した機器開発の必要性を従前から認識し、臨学産が協調して歯科産業ビジョンの上梓や歯科医療機器開発に係る委員会・協議会・小委員会の設置等、本事業の下地を整備してきた。

従来の産学連携では一部の大学・企業により行われる形が多かったが、本開発では歯科における臨床家・学会・企業全ての代弁者である団体が労を惜しまずに参画した。そのことで製品開発に係る幅広い意見を集積する事ができた。また各開発チームに派遣されたスペシャリストから適格なアドバイスを受けながら開発する事が可能となり、一部の臨床家の見解にとらわれない製品開発が可能となり、医療現場のニーズに則した製品とする事ができた。

◇訪問歯科診療に必要不可欠な器材をワンパッケージにまとめることに成功
それぞれの団体が参加したことで単一の器材開発に留まらず、必要度合いが高い複数の訪問歯科診療専用器材、および訪問歯科診療マニュアルまで含めたパッケージとして発売することができた。

◇歯科業界共通のブランド構築
現在は、共通のブランド「デンタパックココロ」を立ち上げ、年度終了後も本事業で培った3団体の連携を基に実際の成果物を最大限に活用するためのビジネスモデルに必要な体制を構築しているところである。

◇コーディネーター名
一般社団法人日本歯科商工協会前会長 山中通三